
オフィス家具メーカー向けSaaSのUX/UIデザイン事例 - 株式会社Swish様
オフィス空間向けにSaaSプロダクトを提供している株式会社Swish様。
今回Nui DESIGN STUDIOでは、UX/UIデザインの支援をさせていただきました。本記事では、情報設計、プロトタイピング、UIデザインの事例をご紹介いたします。
株式会社SwishのPdM布間様にご協力いただき、インタビューを実施いたしました。
小関:簡単に事業内容をご紹介いただけますか?
布間さん:Swishは「空間づくりの常識をアップデートする」をミッションに、2021年の7月に創業した会社になります。約4,2兆円の市場規模と言われる「オフィス構築市場」において、これまでのアナログで繁雑な業務フローを改善する、そんなVertical SaaSプロダクトの企画、開発、提供を行っています。
布間さん:初期は「オフィスを作るに当たっての見積や提案資料づくり」を既存工数の1/4で実現出来るプロダクトを通じて、業務フローのDX化を行っています。現在はB2Bオフィス商材取引の見積プラットフォームを展開しています。

小関:ありがとうございます。今回ご依頼いただいたのはどのような背景だったのでしょうか?
布間さん:我々のプロダクトは既にリリースしており、クライアント企業に提供しています。当初、業務委託のデザイナーがプロダクト全体のデザインを手がけましたが、その後の機能追加や微調整は私がPdMとして担当してきました。
布間さん:しかし、新機能の追加に伴いシステムの複雑性が増すことが予想されたため、ユーザー体験の質を維持・向上させることがより重要になると判断しました。そこで、専門的な知識と経験を持つプロのデザイナーを改めて起用することを決定しました。

小関:他社や他のデザイナーの方と比較検討される中で、どうしてNuiを選んでいただいたのでしょうか?
布間さん:他のデザイナーの方とお話すると、多くがtoC向けやビジュアル重視のデザインを得意としていることがわかりました。 一方Swishのプロダクトは、toB向けSaaSという特性上、そうしたビジュアル重視のデザインももちろんですが、それに加えて専門的な業務に寄り添えるような異なるアプローチが必要でした。見た目のデザインよりも、使いやすいような設計をしたり、今後機能が追加されても、破綻しないようなデザインにしたいと考えていました。
小関:「デザイナー」と一言で言っても、全然得意領域は違いますよね。例えば、メタバースのような没入型体験のデザインと、会計ソフトなどの業務用アプリケーションのデザインでは、求められるスキルセットや重視すべき要素が大きく異なります。
布間さん:そうですね、Nuiさんとの打ち合わせを通じて、今回開発予定の機能におけるUX/UIデザインの課題や解決の方向性を理解していることを感じました。その専門性を評価し、今回依頼することにしました。
布間さん:今回は、お客さまと話す中でニーズの強かった、「見積書統合・作成機能」のUX/UIデザインをお願いしようと考えていました。
小関:当初、新機能の概要を聞いた際は、「実はさほど複雑ではないのでは?」と感じていました。一般的な会計ソフトの見積作成機能を参考にできると考え、既存のアナロジーで対応可能だと思っていたのです。
小関:しかし、布間さんから詳細な商習慣や業務フローについての説明を受け、複雑さを理解しました。特に「フォーマットの異なる複数の見積書を1つに統合する必要性」「頻繁な見積書のアップデート」が課題として浮かび上がりました。

布間さん:業務改善の方向性を明確にするため、現状(As-is)と理想状態(To-be)の業務フローを整理しました。
小関:布間さんに整理いただいたものに基づき、初期段階のワイヤーフレームを作成しました。この時点では完璧さよりも、基本的なアイデアと構造を可視化することを優先しました。ここまで1週間強くらいで進めました。


小関:ユーザーフローとワイヤーフレームの設計過程で、最も困難だったのは「フォーマットの違う見積書を1つに統合する」という課題でした。
「見積書の情報を100%正確に取り込めない状況下で、どこまでユーザーの問題を解決できるか」
「開発に要するコストと、ユーザーにもたらされる価値のバランス」
これらの論点は、単なる技術的な課題を超えて、プロダクト戦略全体に影響を与える重要な検討事項でしたね。
布間さん:議論の過程で、「Excelでいいのでは?」という指摘を受けたことは非常に印象的でした。この問いかけにより、私たちは技術的なソリューションの議論から一歩引き、本質的な課題とプロダクトのコアバリューに立ち返る機会を得ました。この過程で、大手企業と他の企業間で業務フローに違いがあることも改めて気づくことができました。
布間さん:決められた要件に従って、ただデザインを作るのではなく、ワイヤーフレームの状態で認識を合わせながら、「そもそもこの機能は必要なのか?」「別な解決策はないか?」を議論して進めていけたのが、今回のプロジェクトにおいてとても良かったと思います。
小関:そうですね、正直こういったプロジェクトは「どこまで巻き戻って議論するか?」が難しかったりするのですが、Swishさんは「そもそも」の議論からすることにも好意的だったので、結構本質的な部分から再度検討を進められたのが良かったです。
布間さん:組織や集団だと、「ぼんやりと違和感は感じているけど、なんとなく物事が進んでいってしまう」ことってあると思うんです。でもそれで完成しても、「使われない機能」になってしまいますよね。
布間さん:今回、そのぼんやりとした違和感を外部の立場からおっしゃっていただけたのは、とてもありがたかったです。

小関:今までは見積統合・作成機能の話でしたが、図面に家具を配置する「切り貼り」機能の改善も行いました。
布間さん:今まではメーカーの営業担当が図面を紙で印刷し、手書きで椅子や机の品番や数量、配置を記入していました。最初に資料を作っても、お客様と打ち合わせを重ねる中で、配置するものが変わったりするので、紙で更新していくことがかなり難しいんですよね。
布間さん:Swish上でも、この課題を解決するために「切り貼り」機能がありましたが、使いにくい点がいくつかありました。そこでNuiさんにここの改善をお任せしました。
小関:「エリアの設定」「家具の配置決定」「家具の設定」「Excel出力」などできることが多いページでしたが、ユーザーに伝わりきっていない部分もあると感じました。
小関:解決策において、従来の分断されたモード別アプローチから統合的なアプローチへと転換しました。具体的には、「エリア設定」「家具の配置」などの個別モードを廃止し、パワーポイントやMiroのような統合型のUIを採用しました。これにより、ユーザーはすべての編集作業を一つのインターフェース上で行えるようになりました。
布間さん:Figmaでプロトタイプ化してもらったあとに、自分でも実際に使うシーンを想定して、何度も触ってみました。今回プロジェクトの期間的に、ユーザーヒアリングまで実施できなかったので、今後ユーザーにも意見を聞き、ブラッシュアップしていきたいと思います。

布間さん:もともと代表も私もオフィス家具のメーカーで働いていた経験があるので、この分野に関しては相当深い理解があると自負していました。確かにそれは大きな強みですが、知っている領域に偏りがあったり、当たり前だと思い込んでしまうケースがあることに気づきました。
布間さん:今回Nuiさんに入っていただくことで、別な視点からプロダクトを検討し、前に進めることができたのが大きな収穫だったと思います。

小関:短い期間の中で、業務理解を進めながらクリティカルな課題を見つけることができたのは良かったと思います。また単に「デザインを作る」のではなく、「ユーザーにとって価値ある機能とは何か?」から考え、議論を進めることができました。
布間さん:デザインを単に作ってほしいというよりは、プロダクトのことを多角的に考えて、意見がほしいと思っている方にはとてもおすすめです。自分たちだけで進めていく中で、打破できない課題にぶつかったり、新たな視点が必要なケースに依頼するのをおすすめします!

Nui DESIGN STUDIOは、プロフェッショナルチームによる総合的なデザイン支援を提供します。新規事業開発からマーケティングに必要なクリエイティブ制作まで、ニーズに応じたデザインサポートを実施いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
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